忘年会の予定が入ると、楽しみな半面「翌日も仕事なのに、朝がつらくならないかな」と気になる。40代では体調や生活リズムにも個人差があり、同じ量のお酒でも翌日の状態が毎回同じとは限らない。
「これを飲めば翌朝は大丈夫」という便利な近道を探す前に、まず確認したいのが飲酒量・食事・水分・睡眠だ。この記事では、厚生労働省の飲酒ガイドラインと二日酔いの解説、米国の公的研究機関NIAAAの資料をもとに、忘年会シーズンの現実的な対策を整理する。
翌朝に疲れが残るのは、気合いが足りないからではない
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、二日酔いでは頭痛、胃腸症状、睡眠障害、感覚や認知への影響など、複数の症状がみられる。原因は一つではなく、脱水、睡眠や生体リズムの障害、胃腸への刺激などが複雑に関わっていると考えられている。
米国の国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)も、飲酒後には睡眠が途中で途切れたり、早く目覚めたりすることがあり、翌日の疲れにつながると説明している。お酒を飲んだ直後に眠くなることと、十分に休めたことは同じではない。
なお、体調や薬、持病などによってお酒の影響は変わる。体調が悪い日は、飲まない判断も大切だ。
飲む前にできること|最初に「どれくらい飲むか」を決める
飲酒量を、杯数ではなく純アルコール量でも見る
厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」は、飲酒量を純アルコール量(g)で把握することを勧めている。計算式は「飲酒量(ml)×度数(%を小数にした値)×0.8」。例えば5%のビール500mlには、純アルコール約20gが含まれる。
同じ「1杯」でも、グラスの大きさや度数が違えばアルコール量は変わる。数字を知るのは、飲める量を増やすためではなく、減らす判断をしやすくするため。20gなら安全という意味ではなく、飲酒による健康リスクは人によって違うことも忘れないでほしい。
空腹のまま飲み始めない
厚生労働省は、飲酒の前や飲酒中に食事を取ることを勧めている。e-ヘルスネットでも、食事の有無によってアルコールの吸収や血中濃度が変わることが説明されている。
会社の飲み会で開始時間を選べない場合でも、昼食を抜かない、飲み会前に食べられるものを用意するなど、できる範囲で整えておきたい。
飲んでいる間にできること|水と休憩を挟む
アルコール飲料の合間に水を飲む
厚生労働省の広報資料では、飲酒の合間に水を飲む方法が紹介されている。アルコールには尿量を増やす作用があり、水分を失うことが二日酔いの一因になる場合もある。
ただし、水を飲んだから大量飲酒のリスクが消えるわけではない。水はお酒の代わりになる選択肢でもあり、アルコールの杯数を増やす理由にはしない。
「付き合いで一気飲み」は避ける
ガイドラインは、短時間での大量飲酒や、他人への飲酒の強要を避けるよう示している。周囲と同じペースで飲む必要はない。ノンアルコール飲料に替える、途中で切り上げる、といった選択で十分だ。
翌朝にできること|万能な二日酔い対策を探さない
二日酔いの症状を短時間で確実に治す方法は確立していない。NIAAAは、コーヒー、シャワー、翌朝の迎え酒で二日酔いが治るという考えを否定し、回復には時間が必要だとしている。
喉が渇いていれば無理のない範囲で水分を取り、体調に合わせて食事や休養を考えよう。嘔吐などで水分が取れない、症状が強い・長引く場合は医療機関に相談する。意識がおかしい、呼吸に異常があるなど重い症状がある場合には、二日酔いと自己判断せず救急対応が必要だ。
また、翌朝に一見動けそうでも注意力や判断力、運動の協調性が落ちていることがある。飲酒後や二日酔いの状態で車を運転したり、危険な機械を扱ったりしないこと。これは仕事で車や機械を使う人にとって特に重要だ。
サプリメントはどこまで期待していい?
飲み会向けのサプリメントや食品を見かけることもある。ただし、成分名が書かれていることだけで、二日酔いの予防や治療が証明されるわけではない。NIAAAも、よく知られた二日酔い対策について、効果が科学的に確立したものはないと説明している。
食品を選ぶ場合には、広告の印象だけで「これがあれば多く飲んでも平気」と考えないこと。飲酒量を抑え、食事・水分・休養を優先するのが基本だ。
40代の忘年会シーズンに決めておきたい3つのルール
- 飲む前:翌朝の予定を確認し、飲まない・少なくする選択肢を持つ。
- 飲酒中:食事と水を挟み、短時間での大量飲酒を避ける。
- 翌朝:無理をせず、運転や危険作業への影響を過小評価しない。
忘年会を楽しむためにも、「翌朝までを含めて予定を組む」ことが大切。誰かの飲み方に合わせなくていいし、飲酒しない選択にも十分意味がある。
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参考資料
- 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて」(純アルコール量・飲酒時の配慮)
- 厚生労働省「みんなに知ってほしい飲酒のこと」(食事・水・避けたい飲酒行動)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「二日酔いのメカニズム」(最終更新2025年9月1日)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」(食事と血中濃度)
- NIAAA(米国国立アルコール乱用・依存症研究所)「Hangovers」(睡眠・水分・回復・危険作業)
この記事は一般的な健康情報です。医療上の診断・治療、飲酒の推奨を目的とするものではありません。確認日:2026年10月13日。
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