『人と比べてしまう人への小話』

あるところに、『緑山じいさん』が住んでいました。

庭の手入れも大好きな緑山じいさん。

ある日、散歩がてらに隣の庭を見てみると、青々とした芝が広がっていて、羨ましくなりました。

「おぉ、緑山じいさん。こんにちは」

そう挨拶して来た隣の住人は『青山じいさん』。

「こんにちは、通りすがりに覗いてみたら、こんな立派な庭になっていて驚いたよ」

内心腹立ちながらも、隣同士ということもあって、緑山じいさんはそう言いました。 「

緑山じいさんも、良い庭持ってるじゃないか」

何を言っているんだ、自分はこんな立派な芝が広がっているくせに。

緑山じいさんは、家に帰ると、せっせと花壇を作りました。

翌月には、緑山じいさんの庭には、立派な花壇が出来て、色とりどりの花が庭を鮮やかに彩っていました。

それを見た青山じいさん。

庭には大きな木を植えて、町内で1番目立つ庭になりました。

さて、悔しがった緑山じいさん。

なんと池を作り、鯉を飼い始めました。

鮮やかな緑山じいさん。

どこまでも青々とした葉や木々で彩る青山じいさん。

2人は日々庭の手入れをしながら、ふと気付いたことがありました。

向かいに住んでいる『ゆうさん』の家は庭は草の一つも生えていない、荒れた土のまま。

2人はゆうさんの家に行き、バカにし始めたのです。

「うちは立派な鯉も泳いでいる池があるし、花と咲いているんだ」

「うちは綺麗な芝に、町内一の植木があるんだ」

2人は得意げな顔で言います。

「どうだい?ゆうさんや。この荒れたままの寂しい庭、良い植木屋でも紹介してやろうか?」

「花屋もいいかもなぁ?」

すると、ゆうさんは言いました。

「来週アスファルト舗装するんで結構です」

その言葉通り、翌週にはゆうさんの庭は綺麗なアスファルト舗装がされていました。

夏が来ると、汗だくになって庭の手入れをする2人のじいさんの姿がありました。

向かいのゆうさんは、なんの苦労もなく、手入れもなく、いつもと変わらず過ごしていたのでした。

これ、『隣の芝は青く見える』って言葉を聞いた時に高校生の時に思ったこと。

元々自然よりも都会が好きなこともあって、隣の芝が綺麗なら、別に俺は芝なんて無くてもいいやっていう。

つまり、勝負すらしないってことです。

人の評価も気にしない。

良くも悪くも。

人から褒められても、『そりゃあ正面から悪く言えないよねぇ』とか『みんなに言ってるんだろうなぁ』とかしか思えなくて。

それよりも、いかに自分が認められる事をするかしか考えていない。

とはいえ、『言うは易し』って言葉とある通り、どうしても人と比べてしまうのが人間てものだけど。

この小話、ちょっと頭の中に入れといて、人のものや人のことに良いなぁって思ったら、自分の庭、アスファルト舗装しちゃって

前に進むために必要なのは、綺麗な芝じゃなく、舗装された道だからね。

小説も書いてます→BL4GS作品集

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